はっけよいのこった
はっけよいのこった
24日、凛太郎とホクトの業界用語でいうところの相撲を見ることが出来た。
短い後ろ足で立ち、短い両手を相手の脇の下にいれんばかりにぶつかり合い。「はっけよい〜 のこったのこった」というナレーションがぴったりの取っ組み合い。
ホクトと凛太郎が2匹だけで相撲をとって遊んでいるところを目撃したのはこの朝が始めて。私のいない間にはそうして遊んでいたのかもしれないが。
この時サスケはどうしていたかというと、2匹の傍で行司よろしく2匹を眺めていた。ガラス越しに私がそっと見ていると、見ている私に気がついたサスケと目があった。
私は、私が見ているということで遊びが中断されるのを嫌い、ガラス戸のこちら側で座り込んで静かにしていた。何しろ、サスケとホクトは土間への入り口のガラス戸に私を見つけると、何をしていてもすぐにやってくる。私は遊んでいる犬たちを見続けていたかった。
サスケはこちらに数歩歩み寄っただけで、私が動かないのを感じ取ったのか、回れ右をして2匹のところに戻っていった。そして首を伸ばして私を見た。
「ボク、どうしよう。このまま2匹を見てるほうがいい?一緒に遊んだ方がいい?」とでも問いかけているような眼差し。私はもちろんサスケにはじっとしていて欲しかった。
次の瞬間、サスケは2匹に割って入り、くんずほぐれず、3匹団子状態になってしまい、最後は凛太郎が下敷きになった。
サスケにはいつも感心するのだが、必ず凛かホクトをやっつける側についているということだ。どちらかが一番下であとの2匹が上になる。サスケはいつも上に乗る方。凛の4キロの体に10キロ以上はある2匹に乗られて大丈夫なんだろうかと思うが、ピンシャンしているから大丈夫なんだろう。
ホクトは形勢不利となると、いつもゲージに逃げ込む(凛のゲージは土間には用意してないので、どこにも隠れられないし、入り込むところもない)。
そうなると、ホクトのゲージの前で、出てきて!と、ホクトが出てくるまでしつこく鳴く。鳴いている間はホクトは出てこない。そこでサスケがちょっかいを出すと新たな展開が開始されるが「アホクサ、つきおうてられへんわ」と知らん顔を決め込むと、凛太郎の鳴き声はとまらない。困った犬だ。親の顔がみたい^^;
凛の面白いところは、他人のゲージに入らないところだ。
「お母さん入っていい?このご飯食べていい?」というような目つきで私を見る。気が弱いというか、生存競争についていけないというか。育て方を間違ったというか。自分のご飯をとられても気弱そうに1歩下がって見ている。唯一、歯をむき出して唸るのはガムを盗られそうな時に限られている。
他人のご飯を食べるのはホクトが一番だ。自分のご飯を食べ終えるのも一番。サスケは途中でやめて、もっと美味しいものをくれへんかなという感じ。手で少し食べさせてやると食べる作業を復活させるが、そうでもしないと餌はそのまま放置される。ゲージから出してやると、すかさずホクトがやってきて残らず食べる(食事時は2匹はゲージに閉じ込めた)。
凛太郎は2匹の餌が食べたくてしょうがないのだが、どうも皮膚が弱いようで、小さな時にお医者さんに嗜好性のある餌はやらない方がいいと言われた。売り餌を食べると耳の中が真っ黒になるので、もっぱら手作り餌を神戸から買っている(かあちゃんは貧乏だか、凛太郎の餌だけは張り込んでいる)。
話があちこちに行って申し訳ない^^;
そういうことで、一番重いのがホクト。体は大きいがサスケの方が抱いているとホクトより軽い。凛太郎はもちろん一番軽い。
この日は朝から、相撲が見られてなんだか嬉しい気分だった。今夜迎えが来るか、明日になるか。別れはどんな気分になるだろうと少しセンチになりつつあったボス猫であった。
仕事に行く前に「今日か明日、サスケとホクトのお父さん、お母さんが迎えにきはるしな。そうか私が連れて帰ってあげるしな。凛太郎、今日か明日で二人とお別れやしな」と声をかけた。この日も凛太郎は3匹一緒に土間で留守番。
私は「留守番!」と声をかけて、仕事に出かけた。